オーストラリア政府は、絶滅危惧種を保護するために数百万の野良猫を殺処分する計画を立てている。これに対し、フランスの有名女優であるブリジット・バルドーや英国のポップスターであるのモリッシーらを含む動物愛護運動家や有名人は必要以上に残忍な行為だと批判した。
この批判について、オーストラリア絶滅危惧種委員のグレゴリー・アンドリューズは、バルドーとモリッシーへ手紙を送っている。アンドリューズは手紙において、野良猫は国内の100種以上の絶滅危惧種を餌にしており、彼らこそが過去200年で27種の哺乳類が絶滅したことに対する”一番の貢献者”だと述べている。彼は、チビミミナガバンディクートやカタアカバンディクート、ミカヅキツメオワラビー、オオミミトビハツカネズミのようないくつかの絶滅種についてこう述べている。「オーストラリア固有の文化において重要な動物たちであり、また以前まで我が国の生態系においても重要な役割を担っていました。このような種をこれ以上失いたくないのです。」
オーストラリア環境省は、野良猫は国内の哺乳類にとって最大の脅威であると述べている。彼らの計画では、野良猫を殺処分するために毒餌や罠を使用する。7月にアナウンスされた計画において、環境大臣のグレッグ・ハントは、2020年までに野良猫を200万匹は殺処分したいという考えを明らかにした。オーストラリアには2000万匹の野良猫がいると見積もられており、それらはヨーロッパからの移民によって持ち込まれた外来種である。このような野良猫を駆除する要請は以前にもあり、1990年代には2020年までにすべての野良猫を処分するよう求める声もあったという。
現在の計画について発表があった時、バルドーは「恥さらしのスキャンダルだ」と批判した。「この計画は残忍で馬鹿げたものです。」彼女はそう述べ、政府は野良猫を殺すのではなく去勢すべきだと主張している。またモリッシーはオーストラリア政府を「動物の保護や動物への敬意を全く欠いた、羊農家の集まり」だと一蹴している。
アンドリューはガーディアン・オーストラリアに対し、こうも述べている。
「バルドーとモリッシーは、オーストラリアと我々国民が失っているものへの理解が不足しています。彼らはオーストラリアにおける絶滅の危機的状況を経験したことがありません。彼らはオーストラリア人ではないのです。」
《参考文献/サイト》
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