2015/09/29

もしも小惑星が地球に落ちたなら



どうなるだろうか。もちろんモノによって影響は異なる。確実に地球に来ることが計算されたとしても、大気圏で燃え尽きるほど小さければほとんど問題はない。大きくても地球にかすりもしないようなら、そもそも何も心配する必要もないだろう。何にせよ「トリノスケール」を参考にすれば、想像が少しだけ現実に近づくかもしれない。





◆上ほど天体が大きく、右ほど衝突確率が高い。
(参考:Wikipedia<http://goo.gl/BDo7z>)

マサチューセッツ工科大学のRichard P. Binzel教授によって作成されたトリノスケールは、地球近傍天体による災害の指標になっており、1996年にイタリアのトリノで開催された国際天文連盟での会議で採択された。
トリノスケールは上記図のように危険度が色で表され、各色の大まかな内容は記載の通りだ。

白:衝突しない
0衝突の可能性はほとんどない。もしくは大気中で燃え尽きるか、たとえ落下したとしてもほとんど被害が出ない。
緑:注意深いモニタリングに値する
1地球近くを通過することが予想される天体だが、危険性は決して並外れたレベルにあるとはいえない。
このような天体は日常的に発見される。衝突の可能性はきわめて低く、公共の注意や懸念に値しない。さらに望遠鏡による観測を重ねれば、評価がLevel 0に切り替わると思われる。
黄:関心に値するイベント
2地球との接近距離はいくらか近いが、そこまで珍しくもない程度のものである。
天文学者は関心を払うに値するが、実際に衝突すると考えにくく公共の注意や懸念の根拠にはならない。さらに望遠鏡による観測を重ねれば、評価がLevel 0に切り替わると思われる。
3接近距離は近く、天文学者が関心を払うに値するものである。
今のところ衝突して局地的な破壊がもたらされる可能性は1%以上と算定されている。
さらに望遠鏡による観測を重ねれば、評価がLevel 0に切り替わる可能性はきわめて高い。
遭遇が10年を切っているならば、公共、公共機関が注意するに値する。
4接近距離は近く、天文学者が関心を払うに値するものである。
今のところ衝突して広域の破壊がもたらされる可能性は1%以上と算定されている。
さらに望遠鏡による観測を重ねれば、評価がLevel 0に切り替わる可能性はきわめて高い。
遭遇が10年を切っているならば、公共、公共機関が注意するに値する。
オレンジ:驚異的なイベント
5地域を荒廃させる恐れのある深刻な、しかしまだ不確実な近接遭遇。
衝突が起こるか否か確実に決定するため、天文家は非常に注意する必要がある。
もし遭遇が10年を切っている場合、政府の非常事態計画は正当化されるかもしれない。
6世界的大災害発生の恐れのある深刻な、しかしまだ不確実な大きな物体の近接遭遇。
衝突が起こるか否か確実に決定するため、天文家は非常に注意する必要がある。
もし遭遇が30年を切っている場合、政府の非常事態計画は正当化されるかもしれない。
7世界的大災害発生の恐れのある空前の、しかしまだ不確実な大きな物体の今世紀中の非常な近接遭遇。
今世紀のそのような脅威のために、国際的な非常事態計画は正当化され、特に衝突が起こるか否か緊急にそして確実に決定する。
赤:衝突は確実
8衝突は確実で、陸への衝突(沖合い近くなら津波かもしれないが)で局地的に破壊する能力を有する。
そのような出来事は50年から数千年に一回の割合で発生する。
9衝突は確実である。陸への衝突や海洋への衝突による大津波によって空前の地域的荒廃をもたらす
能力を有する。そのような出来事は1万年から10万年に一回の割合で発生する。
10衝突は確実である。それが陸海いずれで起こるにせよ、文明の存続が危ぶまれる程の全地球的な気候の壊滅的異変が起こるであろうことが明らかである。
そのような出来事が起こる可能性は、10万年に一回かそれ以下の割合である。
(参考:Wikipedia<http://goo.gl/BDo7z>)

かつてシューメーカー・レヴィが木星に衝突したように、地球への小惑星や彗星の衝突は十分に起こりうることだ。もちろん確率的にはごくごくわずかだが、実際に地球を壊滅させるような小惑星が確実に衝突することが分かった場合、人類はなにもできないかもしれない。かつての恐竜のように・・・。

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